「さて、今からミサイル迎撃に対する対策を立てるんだが…」
何でアンタが仕切ってんだよ
俺は軽く突っ込みを入れたくなったが 放置して好きにやらせてやることにした
「俺が対策を立ててもいいが 俺たちは魔王軍だ つまり、頭はミタカだ」
「へっ!?」
いきなり名前を呼ばれたので何かと思った
「何だ」
「いや、別に…」
「続けるぞ」
そういってまた顔を全員に向けて話を始める
「これまでの戦いは総てミタカの指示で動いてきて そしてその総てで勝利を収めている
よって今回もミタカに指揮を任せてみようと思うがいいか?」
アンタ仕切っといて言うことそれかよ…ってか俺がやるの?
なんてナオヤの隣で無言で座っていると
「俺はかまわねーぜ ミタカに付いて行くって決めたんだ
それにコイツなら俺よりも戦略的に動いてくれそうだしな」
にやりと俺に笑いかけながらカイドー
「そうね…私はそういうものは良くわかってないから むしろ指示してもらえたほうがありがたいわ…」
と頬に手を当てながらマリ先生
「オイラは戦略とか疎いからミタカに任すホー!」
と椅子に脚が届いていないジャア君
「俺はいつもミタカの指示だったから やりやすいかな」
とアツロウ
「では、決まりだ できるか?」
とナオヤがまたサラリと無茶振りしてくる
けれどいちいち騒いでてもいつものことなので
俺はとりあえず考えた戦略を伝える
「えーと…まず攻撃は2地点から 自衛隊による陸地からの攻撃
これはたぶん包囲網も兼ねてる 次に、アメリカ軍からのミサイル攻撃
コレは単純にビルを破壊して俺らを倒そうってヤツ
だから 今回はチームを2つに分けようと思う」
「何でだヨ ゾウチョウテンとコウモクテンんときは一個撃破だっただろうがよ」
とカイドーが指摘する
「たしかにそうなんだけど 今回は陸と空だろ?前回は陸と陸だった
だから、空を攻撃している間に陸から打ち落とされたら困るわけ
逆に、陸の攻撃中にヒルズを爆破されても困るわけ 寝るとこなくなるしね?」
と言うと
「ああ、なるほどな」
「で、そのチーム分けなんだけど…3:3でどう?」
とナオヤを見ると
「構わん」
と端的な返事をもらった
どうやって分けようかな…
「今回はミサイルと戦車がメインだろうから 陸地を魔法系で 空を物理系で固めようと思うんだけど…」
というと
「じゃあ、俺やカイドーは空か…」
とアツロウがつぶやく
「ほぉ 俺が空をネ…楽しめそうだぜ おいパソコンヤロー…いや、アツロウ
デスバウンドは置いてけよ?」
「なっ あれないと攻撃できないだろ!」
「八相発破でもいいだろ」
「あれは外れが大きいんだよ!」
なんてアツロウとカイドーが若干喧嘩しだしてしまった
しまったな スキルセットは一人一個だった…なんて思っていると
「チームを解除すればいいだろう」
とナオヤが助言を出してくれた
「へ?」
と今にも殴り合い(しだしたらどっちが勝つ以前にこの部屋壊れるな)しそうな2人が
直哉のほうを見る
「スキルセットが共通なのはチームを組んでいるからだ ならばそれを解除すれば事足りる」
もう一度だけ多少判りやすく(なったのか?)説明する直哉
「でっ でもそれじゃ俺たちミタカのチームじゃなくなるってことだよな…?」
アツロウが不安そうに言う
「チームなど別にCOMPでつながっていなくとも忠誠心があれば十分だろう」
と言い放つ直哉
「そっか そうだな…」
アツロウとカイドーはそれぞれの席に戻った
直哉はそれを見て 話を戻せといわんばかりに俺を見る
「えっと、じゃあ役割分担なんだけど…」
といってホワイトボードに役割を描いてみる
地上班
・直哉(指揮)
・マリ先生(回復と戦車)
・カイドー(撃破漏れ防止)
空中班
・俺(指揮)
・アツロウ(攻撃)
・ジャア君(攻撃)
こんな感じかな
書き終わると
「俺は地上か」
とナオヤが不満そうだった
「オイラ移動が遅いから空中は難しいホー」
とジャア君が言う
あ、そこまで考えてなかった
「んじゃー2人入れ替えようか あと、空を物理っていったけど スキルセットの自由が利くから
何でもいいかと思って バランスよくしてみた」
とマジックで修正を入れる
「おい、ミタカ お前らの攻撃とかの役割はわかるんだけどヨ
おれの撃破漏れ防止ってのは何だ?」
「あーそれはね 遠距離で戦車とか倒しても 自衛隊員とかがそれをかいくぐってくることあるじゃない
だからそれを倒すのがカイドーってこと」
ガチバトルのほうがすきでしょ?
というと
「なるほどな」
とニヤリとわらった
これで大体の姿勢は整ったかな
「あ、そーだ ジャア君とマリ先生とでデカラビアとオーディン呼んどいてくれない?」
というと
「わかったわ」
「どれくらいホ?」
「んーできるだけ 沢山 オーディンはLimit付だから 出てきたデカラビアの統制に当たらせて」
2人はすぐに部屋を出て行った
「何に使うんだ?」
とアツロウが聞いてくる
「今回のことで、人間が敵に回る可能性が出てきたから それを今後防止するために
作戦をいくつかね」
「へぇ どんなだ?」
と続きを聞きたそうだったので
簡潔に説明してやる
・アメリカ軍と自衛隊を有る程度徹底的に倒す
・民間人と軍人の死者はださない(軍人なら怪我くらいはOK)
・俺たちの力を出来るだけ誇示しておく
「なるほどな…フ、お前にしては上出来だな」
さすがに直哉はすぐに理解できたらしい
「ゴメン 俺、まだ良くわかんないんだけど」
「俺もだ」
というアツロウとカイドー2人に
俺が説明しようとしたら
「…簡単なことだ 死者を出せば政府はまた敵討ちだなんだとやかましいが 死者をださなければ
また、力を誇示しておけば 俺たちを殺そうとする勢力は弱まるだろう」
「別に敵なんざ殺しちまえばいいだろうがヨ 全部殺せば文句は言えネェ」
「奴らは仮にも人間だぞ それを見た知人やらなんやらがいきり立つだろう
だが、戦地に赴いて重症を負いつつも帰ってきた仲間を見てみろ 次は自分がああなるのかと戦意を削がれる」
「はぁ…そういうもんスか」
とナオヤの(珍しく)判りやすい説明に 2人が納得する
ってか 俺の見せ場取るなよ…この人出番少なくてむくれてんじゃないの…
と思ったけど(反撃が恐いので)言わずに続きを話す
「そういうわけで ミサイルとかをやたらめった反射しちゃうとあっちに落ちて多分死んじゃうから、
今回は物理吸収にして悪魔の大群にアメリカを襲わせようか そのほうが恐怖を煽っていいし」
とさらりと提案した俺に
「ハッ やっぱオマエは魔王だよ」
とカイドーが呵呵大笑した
「さっきのデカラビアたちは何に使うんだ?」
とアツロウがたずねてくる
「うん ミサイルとか瓦礫とかで近隣の人が死ぬとさ 魔王がいるからこうなるんだー 魔王を
倒してしまえーっていう過激な人が出るから そういうのが出ないようにね」
「…人間など 自分に被害が及ばなければ所詮対岸の家事だしな」
と俺とナオヤが言った
アツロウはそんな俺を見て苦笑していた
「アメリカ軍とかの攻撃はどうすんだヨ?」
「…ロキにでもやらせておけ」
直哉があっさりと言った だから台詞とるなって…
あいつだけじゃ不安だから へカーテあたりもつけておこう
と俺はこっそり思った
そして作戦が決定した
陸地側
・マリ先生(指揮&攻撃)
・カイドー(追撃)
・ジャア君(攻撃)
・デカラビア多数(近隣保護)
空中側
・俺(指揮&攻撃)
・直哉(攻撃)
・アツロウ(攻撃)
・オーディン&デカラビア多数(近隣保護)
攻撃班
・ロキ(一応 指揮)
・へカーテ(ロキの見張り)
・他多数
「じゃあ、作戦開始はミサイル落下予想時刻の1時間前で それまでは各自準備しといて」
俺の締めで会議は終わった
「そういえばさ、爆弾ってあれ 火炎属性でいいの?」
俺の質問に
「爆破すればな、爆破しなければ徒の鉄の塊だな」
とナオヤが答えた
「じゃあ、物理属性ってことっすか?」
アツロウがさらに質問する
「そうだな 爆破させなければ物理属性で処理できるだろう」
「そっか…」
アツロウは納得したようで、一人でうんうんと頷いている
落下予想時刻の数十分前
俺たちはヒルズの入り口で最終確認をしていた
「じゃあ、作戦は手はずどおりに 俺たちが散開したと同時にデカラビアたちは近隣の防御に
当たって 守りの盾を3体で作れば多分50メートルから100メートルは防げると思う」
俺の指示にデカラビアたちは頷く(ってか首どこ?)
「ロキは俺たちがミサイルを全部しとめたらすぐに向かって」
俺の指示に人間形態のロキはにやりと笑って
「了解だよ 魔王様」
あぁ、コイツのこの笑顔が胡散臭い……
なんて俺が思っていると
「・・・ロキ お前予定に無い行動をしてみろ…わかっているな」
直哉も同じことを考えていたらしく、苦い顔でロキに言う
「だいじょぶだって ほら、大事なだいじな御貴君のためじゃないか
僕がそんなへますると思うかい?」
なんてまた満面の(ニヤニヤした)笑みで言う
アツロウやカイドーはもうこいつのテンションについてけずに若干唖然としている
「へま以前に余計なことしそうだから言ってんだよ」
とロキの頭を(ぐーで)はたきながらヘカーテが言う
「ひどいなぁ…ぼくって君を裏切ったことあったかい?」
はたかれた後頭部を押さえながらロキが言う
「…今までの行いのせいだ」
直哉が額に手をやりながら言う
相当いろいろあったんだな…昔
なんてしみじみしていると
気を取り直したカイドーが
「まぁ とにかくヤツラを叩きゃいいんだロ 殺さない程度に」
「そうだな とにかく攻撃を全部防げばいいんだな」
とアツロウも賛同する
「…行くか」
とナオヤも気を取り直して(ロキは無視することにしたらしい)出口(屋上の入り口)に体を向ける
あ、忘れるところだった
「ちょっと待って」
俺の一言にいままさに出て行こうとしたみんなが足を止める
「…なんだヨ」
カイドーが 早く行かせろといわんばかりに怪訝な顔をする
「ごめんごめん 行く前にさ、みんなにはコレを被っていってもらいたいんだ」
と俺が差し出したのは
フード付の黒マント
「なんでだ?」
マントを受け取りながらカイドーが尋ねる
「今回顔をさらすのはマズイと思うんだよね ほら
アメリカなんかはネットとかでもう攻撃のことを公表してる だから たぶんいろんな報道が来る
そんなときに俺たちの顔が知られたら たぶん外歩けないし鬱陶しいよ ヒルズは悪魔に守らせてる
から入れないだろうけど 隠遁生活みたいになる それに誰が魔王かはまだ判らないほうがいいと思う
まぁ、見た目的に直哉あたりで勘違いしそうだけど」
と俺がにっこり笑って直哉を見上げると
直哉は鼻を鳴らしただけだった
「あ、ロキとヘカーテも被ってって 人と背格好にてるし」
と同じようにマントを渡す
そして指示の確認をする
「いい、ミサイルには衝撃を加えない 素手でとめるかザン系の魔法で爆発を避けるかして、
自衛隊は車両はどうしてもいいけど 大破はさせない 要はキャタピラとか砲塔を壊せばいいんじゃないかな?」
と俺が言うと
「わかったわ やってみる」
とマリ先生が拳を握る
「そこで俺が出てきた自衛隊員をぼこればいいんだな」
と獰猛そうなカイドー
「殺したらまた面倒になるからね」
「わぁってるよ」
なんて会話をしていたら
「ミタカ」
と直哉が口を出した
「何?」
とマントをかぶりながら直哉のほうに顔を向けると
「言おうと思っていたんだが…ミサイルはぺトラレイで石化させて破壊したほうが楽だぞ」
と俺の指示を修正してくる
「あ、そうか それなら殴るだけでも壊れるもんな」
とアツロウも平手をうった
「ミサイルにぺトラレイって効くの?」
「あんなものに魔力耐性があると思うのか?」
「……ないね」
そして全員でマントを被り
ヒルズを後にした。
←戻
次→
フレーム未対応、携帯電話の方は以下のリンクから戻ってください。
対応している方がこちらを押すと携帯用Topに戻ってしまいますのでご注意ください