その報告が来た時
俺はナオヤの部屋(ヒルズを占拠して適当に割り振った部屋)で小説を読んでいた
 
なんか見たものの確実に死に至らしめる部位が視える眼を持った女の子が、
ナイフと格闘で異形だったり異常だったりする敵を倒していく話
 
「なー 直哉ー」
ソファにごろ寝した格好で、椅子に座りパソコンに向かっている直哉に声をかけると
「何だ」
と眼鏡をかけた直哉が振り返る
「あのさ コレあったら便利じゃない?」
と読んでいる小説のその眼の描写について説明してやると
「そんなものが無くともお前ならば十分に神など殺せるだろう」
「んーでもさー 今のままじゃどこが弱点かわかんないじゃん たぶん全門耐性くらいは
つけてるんじゃない?」
「ならばその体全体に万能属性で攻撃を仕掛ければいいだろう」
「………」
身も蓋もあったもんじゃない
なんでこう、押して駄目なら引いてみろ的な思考なんだ……
「…そもそもそんな眼がこの世に本当にあると思うのか?」
むくれた俺に対して呆れながら言い捨ててパソコンに向かってしまう直哉
この人小説とかファンタジーに対してなんかシビアなんだよね・・・・
「悪魔がいるんだから あってもいいんじゃない?」
「お前が身につけていなければ意味が無いだろう」
「………………」
駄目だ この人と論戦とか無理がありすぎる
なんて思ってまた小説に眼を落すと
 
「ミタカ!直哉さん!!」
 
と激しく扉を開けてアツロウが入ってきた
どことなく焦ってるってか慌ててる様に視える
「あ、アツロウ」
「どうした?」
俺たちの反応に答えるのにもそこそこに
「ヤバいっすよ とにかくちょっと来てくださいよ!」
と俺たちを上の方の階の管制室に連れて行った
 
「あらま」
そこで俺が見たものは
今から数時間後にここ――俺たちの根城のヒルズ――に落ちるであろう
ミサイル群の軌道画面だった
「どうするんだよ! このままじゃ俺ら爆発に巻き込まれちまう!」
アツロウが青い顔で言う
ここでハッキングかなんかやってたら見つけたんだろうな
「ネットでも騒いでいるぞ」
そういって直哉が俺たちに別の画面を見せる
そこではアメリカの大統領だか防衛庁官だかなんだかが
英語で力強くまくし立てている
「………」
固まるアツロウと俺
直哉はいいんだろうけど(テストで常に1位だったから)
俺ら、英語できないんだけど
そんな俺たちに気づいたのか
軽く息を吐ついて(なんだよそのやれやれみたいな態度!)
「こいつが言っていることを要約すると、だ
この世界を作った神を滅ぼそうとするなど言語道断 われわれの神を守るために
アメリカ合衆国は魔王を抹殺するためにミサイル攻撃を行う
ということだ これには日本政府やら自衛隊やら
唯一神信仰のアラブ諸国も関与しているらしいな 馬鹿どもも多少考えたようだ 無駄なことを」
とこともなげに締めくくる
え…それ、ヤバイんじゃないの
「どうすんすか…」
あっさり言った直哉に対して アツロウが若干呆れ気味に言う
まぁ、このまま追撃されたら終わりだしね
「簡単なことだ 俺たちには悪魔の力がある それを使ってヤツラを叩くぞ」
カイドーとマリを呼んでおけ
とナオヤはさっさと部屋から消えていった
「………」
置いていかれた俺たちは
とりあえず手に持っていたCOMPを起動して
カイドーとマリ先生に召集のメールを書き始めた。



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