「あ、おかえりー」
部屋に入った俺を、ユズが出迎えてくれた
「ナオヤさん 何の話だったんだ?」
アツロウが早く知りたいと言わんばかりに寄ってくる
「それは後で分かるから お楽しみで」
今伝えておくと政府の交渉相手に伝わって裏を書かれかねない
奥の手はめったに出さないからこそ効果を発揮するんだ
「あと2〜3分で会議が終わるらしいから、もう少し待ってて」
イヅナさんが内線電話を置いて言った
「なぁ、ミタカ君 さっき行き会って君を連れてった彼は・・・君の従兄なのか?」
ジンさんが俺に顔を向けて聞いてくる
あ、しまったジンさんの店にCOMP置いてったの ナオ兄だったっけ・・・
「そうっすよ コイツの従兄で、俺の師匠っす!
そんでもって悪魔召喚プログラムを作ったのもあのひと・・・むがっ!?」
アツロウ 正直なのはいいけど 迂闊だから・・・というか空気読んでくれ
尊敬する師匠の話になるとどうもアツロウは饒舌になる気がする・・・
普段は空気の読めるヤツなんだけど・・・・・・
俺がアツロウの口を急にふさいだため全員吃驚してしまっている
・・・これはコレでやりすぎたかも・・・・・・
「えーっと そうなんですよ 俺の従兄、でもってジンさんの店にCOMP置いてったのも あの人」
とりあえず大体正直に答えとけ
ジンさんは六本木で東間と戦ったときに知ったけど、怒らせるとカイドーばりに恐いんだよな・・・
「・・・・・・そうか・・・」
あーなにやら複雑そうな顔で黙っちゃったよ・・・怒らせたかな・・・・・・どーしよ
俺が焦ってるのを見てか、アマネが助け舟を出してくれた
「ええ、月森さんの従兄である彼が我々翔門会の依頼で召喚プログラムを製作したのです・・・
その際東間がつれてきたアヤという女性を我々の目的のために犠牲に・・・・・・
申し訳ありません・・・」
あーそうか そうなるよな・・・アヤさんは翔門会のせいで消えたんだよな・・・その辺この2人大丈夫かな・・・
俺の懸念を知ってか知らずか、ジンさんが顔を上げ、心配するなとでもいうように手を振る
「気にするな、あいつはそれでも俺たちに帰還用の歌を残してくれたんだ
それにお前たちだってもともとは悪気があったわけじゃないんだろう?」
・・・よかった ジンさんその辺は割り切ってるみたいだ
と俺が安堵していると
ドカッ!!
突如俺は座っていたソファから転げ落ちていた
転げたままの姿勢から視線を横にスライドすると
隣でずっと俺に口をふさがれていたらしいアツロウが精一杯俺を押したらしく、
左手を突き出した形で息を荒げていた
「・・・・・・はっ・・・はっ・・・はぁ・・・っ ミタカ!!お前 俺を殺す気か!!!」
真っ赤な顔をして怒鳴ってくる
「あーゴメン 苦しかった?」
とりあえず謝っておいた
「当たり前だろ!」
アツロウはまだ真っ赤な顔をしていたが、呼吸は収まったらしく ソファに座りなおした
「もー何やってるのよミタカ」
「ミタカさんのばか〜」
ユズとミドリも笑いながら俺を非難してくる
「ミタカ君 背中とか、大丈夫かしら?」
マリ先生も笑いながら俺に手を貸してくれる
「そっちより俺の心配してくださいよ」
アツロウが若干ばつの悪そうに言う
なんと立ち上がって、またアツロウの傍に座りなおすと、
アツロウが俺から若干身を引くそぶりを見せたので、全員でまた笑った
・・・暗い空気も消えたみたいだ、コレはコレでよかったかもしれない
俺も一緒になって笑っていると、扉から伏見さんが現れて
「?・・・何を盛り上がっているんだ」
「な・・・なんでもないっすよ、話し合いの準備 できたんすか?」
アツロウが目の端にたまった涙をぬぐいながら聞いてくる
「ああ、全員隣の部屋に来てくれ」
伏見がドアノブに手を掛けながら 俺たちを手招きした
入った先で待っていたのは
テレビでは見慣れた人物が2人と、見知らぬ人物が1人の、計3人だった
「すごいな・・・官房長官と防衛大臣と・・・あっちは内閣府の役人かな?」
さすがにこういことには詳しいらしいケイスケが、小声でつぶやく
有力議員あたりが出てくるとは思ったけど、まさかここまでとは思わなかったな
「これだけの人物が出てくるって事は、それだけ今回の封鎖が大事だったのね・・・」
マリ先生も驚いている
「・・・さて、今日はわざわざ来ていただいてありがとう 早速で済まないが、
こちらに掛けて今回の事件についての 解る範囲でいい、顛末を教えてくれないだろうか・・・」
いちばん左の・・・官房長官だったかな・・・が俺たちに声をかける
しかし、さすがに最初に席に着くのは躊躇われるようで、俺の後ろで暫くみんな顔を見合わせていた
・・・この場合は俺が会話の主導権をとっておくべきかな
この後に交渉を持ち込むことを考えれば、俺がこの中の誰よりも話に参加し、
余計な隙を与えずに話を進める必要がある。 それならまずは相手に優位な感情を抱かせないことだ
そう考えた俺は、真っ先に目の前に用意された椅子に深々と腰掛けた
そんな俺の様子に感化されたように、俺の隣にアマネとアツロウそしてジンさんとユズ、
後ろにマリ先生とハルとケイスケとミドリちゃん、伏見さんとイヅナさんは
今回は任務だからか、少し後ろで直立不動の姿勢をとっていた。
「今回は翔門会が神による試練を排除するために悪魔召喚プログラムをあの男・・・
月森直哉に依頼したのがきっかけだったんだが・・・なぜ悪魔を使おうとしたんだ?」
防衛庁長官が尋ねる
これにはアマネが答えた
「・・・それは、かつて紀元前にベルと呼ばれた存在がおり・・・・・・」
ここから説明がはじまった
・・・・・・・・・
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