・数分前 3階 アイギスの部屋 眼を閉じると… ”彼女”と最後に話した時の事が浮かぶ。 あの日…眠ってしまった彼女を、わたしたちは 一抹の不安と共に寮まで連れて帰った。 けれど翌朝…その不安は現実となってしまった。 その日からしばらくわたしは自分を責めた… どうして彼女がああなる前に、何か出来なかったのかと、 そのせいか毎晩、同じ夢ばかり見るようになった。 去ってゆく彼女の背中を、ただ叫び追い続ける… …そんな夢。 わたしは彼女を”守る”と約束して、 それを自分の”生きる証”にすると決めた。 けれどわたしは…彼女を守りきることができなかった。 ずっと…ずっと傍にいながら、彼女を守れなかった。 けれどある日を境に、わたしの罪悪感は、 不思議と抜け落ちるように薄らいだ。 わたしは夢を見なくなり…やがて”夜の眠り” そのものが必要ない体に、戻ってしまった。 わたしが眠るようになり、夢を見たりするようになったのはいつからだったか 多分―――彼女に出会ってからだったような気がする。 そんな事を考えながら、ゆっくりと眼を開く 眼に映るのは、古いホテルを軍事施設に無理やり改造したような様相の自分の部屋 「……やっぱり…眠れない…」 その部屋の中で小さく呟き、機械仕掛けの寝台から降り立つ。 静かすぎる部屋の圧迫感に耐えきれなくなって、わたしはここ最近ずっと胸に澱のように溜まっている不安を吐き出す。 「わたし…この先も“生きて“いけるのかな…」 彼女を守ることができなかったわたしが、その“生きる証”を失ったまま生きられるのか… そんな状態が、”生きている”と言えるのか…存在していると考えていいのか…わたしには判らなかった。 何かの気配に顔を上げると、視界の端を動くものがあった。 「…?」 首を動かし動くものを視界にとらえてみると、それは淡く輝く青い蝶だった。 「蝶?…」 どこから入ったのか、青く光る蝶はゆっくりとはばたきながら、わたしの目の前まで降りてきた。 思わず両手を差し出すと、蝶はわたしの手の上に止まり―――消えた。 「……!」 通常ではありえない光景に目を疑ったその時、下の階から物凄い音と振動が響き渡った。 「えっ、なに!?」 突然の事に辺りを見回すと、不意に誰かが部屋のドアを叩いた。 それから、風花さんの慌てたような声がドア越しに聞こえてきた。 「アイギス、起きてる!?」 「あ、はい、…あ、ドアは開いてます」 風花さんはドアが開く時間すらも惜しいとでも言うように部屋に駆け込むと、 「アイギス、お願い、みんなを助けてあげて!」 と叫んだ。 「何があったんですか?まさか…適襲!?」 わたしの問いに風花さんは頷くと、 「何て言うか、いきなり1階の床が開いて、そこから…それで、 ペルソナが………えっと、とにかく、急いでラウンジへ…!」 と言った。 風花さんの話す内容は要領を得なくて、けれどその切羽詰まった様子に皆さんに危険が迫っている事は はっきりと感じ取れた。 「わかりました!」 わたしは風花さんの後を追って部屋を飛び出した。 × ・1階 ラウンジ そこでは、凄惨な光景が広がっていた。 あらかた倒された椅子や机、それから―― 「えっ、これは…」 部屋へ戻る数分前と様変わりした状態に愕然としていると、視線の先に映ったのは 傷ついた仲間たちの姿 「皆さん…!」 わたしの声に気付いた美鶴さんが、息も絶え絶えに警告する。 「気をつけろ、アイギス!どうもそいつは”人”じゃない…!」 その声の指し示す侵入者を見ると、 何故か召喚器を手にした見知らぬ青年と、その青年とにらみ合う黒い人影の姿 「シャドウ…?違う、これは…」 わたしは呟きながらその人影を凝視する 球体関節をもち、蝶のようなマスクを被ったその人影は、細かい色や形状は違えど わたしと非常によく似ていた。 「まさか…わたしと同じ体!?」 わたしの声に、召喚器を手にした青年がこちらを向いた。 なぜかその横顔と”彼女”の横顔がオーバーラップした。 (…どうして…知らない人にあの人の顔が重なるの……?…あなたは…誰なの…?) わたしが困惑しているうちに青年が完全にこちらを向いた。 髪型や顔つきは彼女と全く違うのに…どことなく、彼女と似ている気がした。 彼はわたしを瞳に映したまま暫く立ち止っていた。けれど次の瞬間、その眼が恐怖に見開かれた。 「……っ!?」 「…あ、……ああっ………うわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっっっ」 思わず身構えるわたしの目の前で、彼は召喚器の引鉄を引いた。 そしてわたしの眼に映ったのは、見覚えのある”彼女”のペルソナが、わたしに襲いかかる姿だった。 「アイギスッ…」 「アイギスさん!」 皆さんがわたしを呼んでいるけれど、わたしはその場を動くことができなかった。 ただ、わたしめがけて彼女のペルソナ――タナトスが剣を振りかざすのを見ていることしかできなかった。 (ダメ、体が―――) タナトスがもはや目前に迫った時とっさに眼をつむると、次に聞こえたのはわたしが斬られる音ではなく、 耳障りな金属同士が擦れる音だった。 ギィインッ!!! 「……、………えっ!?」 わたしの目の前に映ったのはクロスロッドを胸の位置まで掲げ、タナトスの斬撃を防ぐ侵入者の姿だった。 「…そんな、どうして…?」 「どういうことだよ、コレ…」 仲間たちも今起こった出来事が信じられないというように眼を見開いている。 侵入者はそんなわたしたちを意に解さず、クロスロッドを押し上げタナトスの剣の軌道を逸らすと、 そのまま脇をすり抜け青年の左腕に反転させたクロスロッドの柄を叩き込んで召喚器を床に落とした、 そしてその勢いを利用して背負い投げのようにして彼を床に叩きつけた。 「がっ…は!」 彼はそのまま気絶したようで、侵入者に襟首を掴まれたまま動かなくなった。 「あなたは誰…?どうしてわたしを……」 たすけたの? と続けようとした時、それを遮るように侵入者が口を開いた。 「私は…メティス。あなたを守るために来ました」 (わたしを…守る……?) その言葉に、かつてわたしが彼女に対して言った言葉がよみがえった。 けれど急な状況に困惑したまま動けないでいると、 『遅れてごめんなさい!皆さん、大丈夫ですか!?』 頭に風花さんの声が響く。 他の皆さんにも同様に声が届いたのか、美鶴さんが 「何とかな…そのままアイギスのバックアップを頼む」 と伝えた。 『わかりました』 メティスと名乗った侵入者は、その後ろで動けないでいる皆さんを振り返ると 「彼らは、あなたを危険に晒す存在…よって排除します」 と機械の様な調子の声で告げる。 「何を言ってるの!?排除なんて、そんな事絶対させない!」 わたしがそう叫ぶと、メティスはこちらに顔を向け、言った。 「なら、仕方ありません…あなた自身のために…今は下がっていてもらいます」 それから掴んだままの青年の体を食堂に向けて放ると、クロスロッドを持ち直し身構えた。 「…っ!!」 『アイギス、来るわっ!!』 わたしが身構えるのと、風花さんが声をかけるのとがほぼ同時だった。 それを合図としたように、メティスがこちらに向かってきた。
アトガキの様なもの
第三話です。お待たせして申し訳ありません。
ちょっと事を急ぐあまり無計画に書いてしまっていて先の見通しができていませんでした。
今書きつつも今後の展開とかしっかり考えていきますね。
若干原作(?)っぽさが出てきた今回 プレイ動画をみながら台詞を若干変えたり展開を変えたり
してました。今後もそういった形で書いていきたいと思います。
今回の話でますます謎な行動をするキャラ約二名…今後の話で彼らの存在も明らかになったり
するんでしょう…多分(ぉぃ)管理人のP3Pは現在6月22日辺りです。幾月に眼鏡ふきをもらい忘れたり
真田の発言にニヤけたりなんだったりしてます。3週目なのでオルフェウス(女性主人公版)を
99にしてみたりとかしてました。…早く進めて小説の参考だとかにしますね。ハイ
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