「…えっと…どうしよ」
私は自衛隊とアメリカ軍が撤退した後のヒルズに戻ってきた
あの時ミタカが撃たれて、何か分けわかんないことになって、すごい攻撃をしようとしたらしいミタカを
直哉さんが殴って止めた…のかな…アレ
とにかく、あんな怪我でいきなりあんな技を出そうとしたんだから、やっぱり大事に至ってるんじゃないかって思って、きてしまった
…………けど……
「どうやって入ろう…」
ビルの脇から見ているヒルズは、デカラビアが何体も警備していて、
しかも入り口のまん前にはオーディンが立ってる
オーディンとは面識あった…というか、封鎖中もお世話になったけど…
正直COMPの制御を離れた今でも覚えてくれてるかどうか……もし覚えてなかったら、多分雷で一発だし…
「…どーしよ……せっかく来たのに…」
そんなことを、もう何度考えただろう…さっきからこの辺をうろうろとしているだけで…
「……ぐだぐだ考えても仕方ないよね うん」
と、せめて非常階段とかから忍び込めないかと思って、
(よし!)
と足を踏み出したとき
「ユズ?」
と声とともに肩に手をかけられて―――
「きゃああぁぁぁあぁぁぁっっっ!!!!?!?!?」
「うわっ!?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっっ!!!」
「は?おい待てって、慌てんなって 俺だよ アツロウだよ」
やばい、見つかった!と思って逃げようとした手を
声をかけてきた人物が私の腕を掴んで引き寄せた
「へ……え?………あ、アツロウっ?」
見ると、見慣れた顔がそこにあった
もう片方の手には何か大型家電量販店のロゴの入ったスーパー袋を抱えている
「おう、どうしたんだよ こんなとこで」
とつかんだ手を離す
「……うん」
アツロウに言っちゃって大丈夫なのかな…アツロウは今じゃ魔王軍の一員だし…
でもそれ以前に友達で……
「…ミタカの見舞いだろ?」
躊躇していると、アツロウが指摘してくる
「えっ!? あっ なんでわかったのっ?」
驚く私をよそに、アツロウは
「こいつ買いに行ったらケイスケに会ってさ 訊いたんだ」
とスーパー袋を掲げながら言う
「あ…なんだそっか……びっくりしたぁ」
と胸をなでおろしていると
「来いよ、たぶんだいじょぶだから」
と先に歩き出して手招きしてくる
「え、いいの?」
「おう、たぶんな まだセキュリティも完全じゃないし ばれなきゃいいだろ?」
とアツロウが言う
会える、ミタカに会える ということでなんかもう 胸がいっぱいになってしまった
「ちょっと待ってろよ…いまロック開けてもらうから」
とアツロウは携帯を取り出して、電話を始めた
「…あ、もしもし? 直哉さん?今帰りました え、すいません
だって資金くれなかったじゃないすか 自腹っすよホントに…後で請求しますからね
で、途中ミタカの見舞いしたいんで、パーツ仲魔に運ばせるんで、仮眠室までのセキュリティきってくださいよ
じゃ、お願いしまーす」
どうやら相手は直哉さんみたいで、なにかやり取りをしたあと、携帯をポケットにしまう
「じゃ、行くか」
と私を振り返るので、私はうなずき
アツロウの後ろにくっついて、ヒルズの中に入る
「…そんなにくっつかなくても、だいじょぶだって」
苦笑するアツロウをよそに、私はアツロウの服のフードを掴んだまま
「だって知らない人間 って襲われたら怖いじゃない 私、もうCOMP使えないんだし…」
「そういう奴がいたら俺が守ってやるって」
アツロウは朗らかに行って入り口をくぐる
そのときに立っていたオーディンが気づいて軽く会釈する
「ん、ご苦労様 ありがとな」
アツロウもそれに答える
とそのとき
「おや、ユズ殿?」
「! はいいっ」
いきなり名前を呼ばれて思わず声が裏返っちゃった……あれ、でも今、『ユズ殿』って…
オーディンを見ると
「ひさしぶりですな 息災か?」
とオーディンが訊いてくる
「…私のこと…覚えてる…んだ?」
私が恐る恐る訪ねると
「覚えておりますとも お元気そうで、何より 今日は我らが魔王・ミタカの元に?」
オーディンは笑って言った
「う、うん…お見舞いに…」
私が答えると、オーディンは
「それは彼も喜ばれるでしょうな」
って言って おきをつけて って見送ってくれた
「な、だいじょぶだったろ?」
アツロウが言う
「うん…よかった……」
そしてエレベーターに乗って、ミタカが寝ているっていう仮眠室…?に向かった
途中でアツロウは、COMPからモー・ショボーを召還して、荷物を直哉さんのもとへ届けるようにいった
モー・ショボーは私に気づくと
「あら、久しいですわね お元気でした?」
って挨拶をして飛び去った
「…この階だな」
エレベーターが止まったときにアツロウが『開』のボタンを押しながら言った
「ここはさ、食堂とかがそろってる階でさ、俺たちの部屋もここにあんの で、今ミタカが寝てんのは…あの部屋だな」
と廊下の奥のほうを指差していった
そしてエレベーターから出たとき、不意にアツロウの携帯が鳴った
「うおっ!?なんだ?」
とりあえずポケットから携帯を取り出して出ると、
「ハイ……はい……う゛、やっぱばれてましたか…今回だけってことで お願いしますって…
え、いいんすか? ありがとうございます! はい、え?奥じゃなくて、その向かい?
…あ、はいわかりました じゃ」
携帯を切ったあと、アツロウは苦笑して
「やっぱバレてた」
といった
「え!?ちょっと、ヤバイじゃん 私どうなるのよ!」
と思わずアツロウに掴みかかると
「どー どー どー…落ち着けって 直哉さん 今回だけ許すって許可してくれたから
だいじょぶだから な?」
となだめられて、掴みかかった手をおろす
「はぁ…もう、びっくりさせないでよ……直哉さん怖いんだから…怒ると」
「悪い悪い…あ、それとさ ミタカの部屋 奥っていったけど
その向かいになったって まぁ、まだ入ってないし大差ないよな 行こうぜ」
と大して悪いと思ってないような感じで また歩き出した
部屋に入ると
ミタカはベットで眠っていた
封鎖内でもそうだったように身じろぎ一つせずにぐっすり眠っている
「何よ……もっと重症っぽいの想像してたのに…無事じゃない…」
と私がつぶやくと
「うーん、まぁ そうだな」
アツロウもあまりの平和そうな寝顔に思わず苦笑をもらしていた
「…あ、でも 顔色はあんまりよくないんじゃない? もともと白いから分かりづらいけど」
私の指摘に、アツロウは顔を近づける
「あ、ほんとだ 少し悪いな」
それから今日は鉄分の多いメニューにしないといけないかな
なんて お母さんみたいなことを言っていた
あの時すごく心配した分、今普通に眠っているミタカの顔を見ているたら 安心してしまった
これなら大丈夫かな
説得しようと思ってたけど、いろいろありすぎて、なんかもうそんな気分じゃなくなっちゃった
………それに…
「…アツロウ、私、そろそろかえるね」
「え、もういいのかよ 今回だけって言ってたんだし もう少しゆっくりしてけよ」
なんなら眼が覚めるまでいてもいいし
とアツロウが言うけど 私は断った
「…ううん、いいの あの時私は付いてけないっていったのに、また会っちゃってる
だから いま話しちゃうと…やっぱり残っちゃいそう
でも、覚悟も無いのに残って文句ばっかり言ってたら 迷惑だもん」
「……そうか…? それでもミタカは喜ぶと思うぜ?
俺もユズやミドリちゃんやケイスケが戻ってきてくれるなら、
それはそれでうれしいし…」
とアツロウは言ってくれるけど、やっぱりそれではダメだと思う
「…私、待ってるから」
いきなりの言葉に アツロウは眼をしばたかせて、訊き返してきた
「え、何?」
「だから、アツロウとミタカが、その…神様?を倒したら
ちゃんと私達のところに戻ってきてくれるように…私、待ってるから……だから
絶対に無事でいてね 間違っても魔界とかそっちに住んじゃったら嫌だよ?」
決意にちょっとだけ不安をにじませて言うと
アツロウは分かってくれたようで
「……わかっ た 努力する、俺たちは、天使に人間が弱点だって思われないように、
人間を助けたりかばったりはできない………けど、被害が広がらないように 頑張るから…」
待っててくれ
と言って微笑んだ
「うん、じゃあ またね」
私はもう一度だけミタカの寝顔を見て、仮眠室を後にした
アツロウに召還してもらった仲魔に案内してもらって、ヒルズから出た
そのときにオーディンは
「ご無事で」
って言ってくれたから
私も「身体に気をつけてね」
って返して、お母さんの待ってる家に帰った。
×
「……ミタカ」
俺は誰もいなくなった仮眠室で
近くにあったいすを持ってきて座り、眠ったまま動かないミタカの寝顔を眺める
「…たとえ、どんなことがあっても…絶対に、生きて返ってこような」
ミタカは反応しない
「俺…まだ迷ってるけど……お前の支えになれるように がんばるから」
ミタカは反応しない
「だから……何かあったら、ちゃんと俺たちに吐き出してくれよな」
ミタカは反応しない
俺はミタカの白い手を握り願わくば、この手があまり血に染まりませんように
できることなら、人間を傷つけませんようにと願った
窓の外では、魔界の到来のような 赤々とした夕日が輝き、ゆっくりと傾いていく
そして2人の少年を優しく照らし出していた。
アトガキのようなもの
だいぶ妄想入れまくってます。あと名前がカタカナになったり漢字になったりすいません。
なんていうか、ベルの力の暴走とかを書きたかった今回…
管理人の中では ベルの力=すべての悪魔の技を使うことが出来る という感じなので、
メギドラダインも飛翔もばっちりです。たぶんあと変身とかも出来るんでしょう(笑)
時間在ればまた主人公設定とかも載せてみたいです。 この小説の続きになる話も考えてるので
是非また載せたいと思ってます。
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