・2010年3月31日 月光館学園厳戸台分寮 「天田君、お出かけ?」 日の差しているラウンジに、風花の声が響く その声に玄関を開けようとしていた人物が返事を返す 「…はい、お見舞いに」 「……そっか…気をつけてね」 風花は若干複雑そうな顔をしつつも笑みを作ると、天田を見送った。 × ・美鶴の部屋 「お久しぶりです」 ソファの向かいに座った人物が小さく頭を下げた。 「…ああ」 美鶴は小さく声を返しながら改めてその人物――まだ自分と同じくらいの年齢の青年――の姿を眺め、やがて口を開いた。 「今回はこんなことになってしまって済まない…」 「……いえ…」 「…彼女は、どうだった?」 美鶴の問に、青年は目を伏せ呟くように言った。 「…以前と変わりありません…あの日以来と……臓器や体に異常が無いのに…ずっと ……ずっと眠り続けたままです」 「…そうか………」 美鶴もまた沈鬱な表情になり、自らの膝に目を落とす。 「そもそも、どうして深宙は―――彼女が……こんな事に…?」 悔しそうに拳を握り締め、搾り出された言葉に対し美鶴は答えに窮した。 「……それは……………」 彼は暫く無言で彼女の様子を伺い、美鶴にも理由が分からないと察すると話題を変えた。 「……彼女の…深宙の部屋を見ても良いですか……彼女がここでどんな生活をして、 どんな人たちと過ごしたのか………見おきたいんです」 「わかった、鍵を取ってこよう」 美鶴はすぐに頷くと、ソファから腰を上げた。 × ・厳戸台分寮 ラウンジ 「天田の奴、今日も見舞い行ったのか?」 順平の問いに、先ほど彼を見送った風花が答えた 「…うん、ここの所毎日だよね……」 「そっか……天田君、何か思いつめてるようなカオしてない?」 ゆかりがそう呟くと、順平が茶化したように言う 「まーなぁ、天田なんかアイツのこと慕ってるっつーか小学生にありがちな年上のお姉さんに 憧れてるっつーかなトコあったしなぁ…」 「そうね…タルタロスでもあの子と仲良さげに真田先輩が会話してると突っかかって…ああいう 所はやっぱりまだまだ男の子って感じでかわいいよね?」 風花がほほえましそうに言うと、ゆかりが眼を丸くした。 「へぇーそんな事あったんだ…てか、今日……真田先輩、来ないのかな…?」 その言葉に、風花が寂しそうに答えた。 「……………うん…ジムで調整って、掲示板に…」 「そっか…」 それっきり静かになってしまったラウンジの空気を破るように、順平が声を上げる 「…で、でもさ…今日くらいは来てもいんじゃね?荒垣先輩もまだ本調子じゃねぇのに 一人でどっか行っちまうし……ここには思い出とか、死ぬほどあんだし……」 すると、先ほどまでずっと黙っていたアイギスが声を出した。 「それも……一つの門出…区切りの形ではないでしょうか…私も、来年度からはラボに戻りますし…」 「えっ?……アイギス、アンタラボから学校通うことにしたの?」 ゆかりの問に、アイギスは静かに首を振った。 「いえ………わたしは来年度からは進級せず、ラボへ戻ろうかと思うんです…ごめんなさい ずっと、言いそびれてて…皆さんと居るのは楽しいんですけれど……ちゃんと、わたしなりの 日常を見つけないとと思って…」 「そ、そっか……」 寂しそうに風花が俯くと、アイギスは心配ないとでも言うように手を振ると、 「そんな顔しないでください、いつでも会えますから…」 と小さく笑顔を作った。 × ・3階 彼女の部屋 「一通り見終わったら、また鍵を閉めて私に渡してくれ。私は暫く下のラウンジに居るからな」 美鶴がそう告げると、 「分かりました。ありがとうございます」 と青年は頭を下げた。 彼女の部屋は、綺麗に片付いていた。 昔はどんな風だったのか思い出そうとしてみたが、そもそも彼女と過ごしていた記憶が 10年近い過去のことなので比べてみても大分その印象は変わってしまっているだろう 彼はそんなことを考えながら、机の上から順番に彼女の私物を見て回る。 全体的にピンクや赤といった暖色系でまとめられた彼女の私物 机の上に置かれたイヤークリップ式のイヤホンや、丁寧な文字が書き込まれたノートなどを 一つずつ手にとって眺めながら、彼女がここで過ごしていたであろう日常を想像する。 ”理緒と運動部の特訓” ”真田先輩とお昼を食べに行く” ”コロちゃんのブラッシング” といった予定の沢山書き込まれたカレンダーを見るに、ここでの彼女は充実した日々を 送っていたようだった。 戸棚の裏に貼られた写真にも彼女が沢山の友人達と楽しそうに微笑み、あるいはふざけ合う写真が 沢山貼られていた。 戸棚の中には本や衣類、そういう部活があったのか薙刀やラクロスラケットが立てかけられ、 部屋全体よりはやや雑然とした印象を与えていた。 CDのジャケットを眺めそれを元の場所に戻した時、窓から差し込む光に何かが反射した。 「………?」 反射したほうを見ると、何か銀色のものがきちんと畳まれた衣服や他の物の隙間からのぞいていた。 なんとなく興味を引かれ、隙間からその銀色の”何か”を引きずり出した。 その”何か”は掌よりも少し大きく、そして重量のあるものだった。 「…これは……?」 右手に掴んだ”それ”を目の前に掲げてみる。 もう一度窓から差し込む光を反射した”それ”は、鈍く光る拳銃の形をしていた。 (拳銃……これは深宙の………?) いろんな角度から眺めてみると、どうやら銃口が樹脂で塞がれたモデルガンのようだった。 (彼女にこんな趣味が―――?) 自分の記憶する彼女とかけ離れたイメージを放つ”それ”を眺めると、 銃身に何かが彫りこんであるのが見えた。 「…S……E…E……S… Special Extracrricular Execute Sector 特別…課外活動部…?」 一体モデルガンを使ってどんな活動をするのが特別なのか、さっぱり見当が付かない 彼女はそんなものに参加していたのだろうか―――? なんて事を考えながら首を傾げた時、 「触るなッ!!」 背後から、刺すような鋭い声を浴びせかけられた。
てな訳で始まりました、P3P後日談”女性主人公版”(のような何か)
今回から話数ごとにアトガキもどき書かせていただきます。はい
元々P3のを書いてる中盤辺りで大分イメージ浮かんでて誰かが書く前に!と
すぐにでも書きたかったのですが、管理人はいまだP3後日談もP3P女性主人公編も
やってません(いや、P3Pのほうは現在進行形プレイ中ですが)とんだ暴挙です
なので知識皆無…に等しいので現在FESファンブック、P3Pファンブック、
ノベライズ、知恵袋、某笑顔動画の実況プレイ等様々なものを参考に書いております。
まだまだ序盤ですが今後どんなミス(もとい矛盾やトンデモ設定)が飛び出るか
分からないので慎重に情報収集して少しでも”ありえそう”なものを書いていきたいです。
セリフは若干後日談から引用したりしてます。一応似たような道をたどりつつ妄想を入れる
といった感じで書いていけたらと思ってます。P3PED後はいろんな方がいろんな想像を
なされていると思いますが自分のコレもそんななかの一部分と捉えていただけたら
嬉しいと思います。ちょっと最後に謝辞を…コレを書くにあたって設定や内容について
アドバイスや萌え知識(!?)を与えてくださったKちゃんH君ありがとう。今後ともヨロシクです
まだまだ超序盤ですが、どうぞよろしくお願いします。最初なのに長々とすいません(汗
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