Doppelganger




     はじめは曖昧に

              ・・・次第にはっきりと


               輪郭を得て



                      俺はそこにいた


気付いたのはいつだっただろう
・・・はっきりとは覚えていなかったが俺は存在した時から
“アイツ”も知り得ない様々な事を知っていた。

暗闇の中で自然と入ってくる情報

どこまでいってもただ暗いだけの世界で、
ひたすらに見せ付けられる“アイツ”の世界
都合のいいものだけを見て、都合の悪いものから逃げ出した
自分勝手な奴

俺に全てを押し付けて
ただ漫然と生きてるような

俺は“アイツ”が許せない
生きる意味も無いのに
逃げ出した“アイツ”が


・・・俺はここから出たい
あんなくだらない人生に時間を使ってる“アイツ”から
全て奪い取ってやりたい
・・・・・・だが、俺はここから出る術を知らない
いずれまたこの暗闇に飲み込まれるのかもしれない
抵抗すら出来ずにただ知覚される悪夢に、消滅の恐怖に耐え続けた
“アイツ”を生かすため俺に与えられた存在意義はそれだけだった

その中でひたすらに“アイツ”への悪意を煮詰めながら
膝を抱え見たくないものを見続ける




・・・そんな発狂しそうな時間がどれほど過ぎたのか


不意に目の前に白い手が延びる



“そこから貴方を出してあげるわ”

「・・・・・・!」
どこか聞き覚えのある声に顔を上げると


“さあ・・・”


目の前に光が差し込み、気付くと俺は“アイツ”の世界に足を踏み入れていた
触覚でしか感じられなかった躯が、手が、足が
今俺の眼で捉えられている
いつ消えるとも解らなかった俺が、ここにいる


「・・・待ってろ、尚也・・・・・・」

俺は叫び出したい衝動に駆られながら
この世で最も大嫌いな“アイツ”を思い浮かべる


「・・・・・・お前の全てを、俺が・・・奪い取ってやる・・・!!」





俺の背後で、クスクスと嗤う声が聞こえた気がした




Persona漫画版設定小説です。和也の独り言的な(?)イメージで
アキに引っ張り出されるちょっと前くらいの時系列で…
なんと言うか漫画版知らない人にとってはよくわからない小説かもしれません
個人的に「待ってろ…」のあたりに高笑い…というか哄笑入れるか迷って自重しました。



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